ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

2012-01-01から1年間の記事一覧

リンさん

私が卒業した大学では、法学部には卒業論文がありません。 しかし、私の指導教官は卒論を書け、とテーマを提示。 独占禁止法と国際取引法の両方が関係していたので、独占禁止法についてはこの人に聞きなさい、と紹介されたのが、ある大学の院生のリン・シュ…

遥かなり安住の地

老後は木のぬくもりとともに夏はツリーハウス、冬はログハウスでのんびりまったりしたいなあ・・・・ ネットで探してみよう。北欧の輸入物から、こじんまりとした木の家、いいねえ。おされだねえ。 ええっと、将来私に買えそうなのは・・・・ しかたがない。…

●●●お断り

先月受けた健康診断の結果が割と深刻なことになっていまして、病院での精査と治療を要するようです。しかしここのところ当分忙しく、だましだまし先延ばししているおっかない日々です。 昨日、自宅に戻って郵便受けを開けますとシュールなビラがたまっており…

ひらけゴマ

昔、父は子供たちが寝る前に、枕もとでちょくちょく「アリババと40人の盗賊」の話をしてくれました。 毎回大変期待していたのですが、 アリババが宝物を見つけたところで、いつも父が先に眠ってしまい、 おとうさん、宝物はわかったけど、それから? アリ…

あべこべの国

最高の 遊び 仕事仲間中川とちょっと現実逃避 普段短い方の人、って呼ばれているパンダのリベンジです。苦しゅうない。 あべこべで思い出したのですが、 大阪市西区のマンションに部屋に目張りをして二児を餓死させた被告事件の被告人は控訴審においても「殺…

ものはいいよう

夏の初め、実家から「あまりものを送った」という通知が来ました。 食べ物でもいただけるのか と淡い期待を寄せておりましたところ、送られてきたのは、鈴虫の卵でした。 それから3か月 風情があります、このすずやかな音・・・・優雅です。 電話口で母がこ…

不都合すぎる真実

よんどころない事情により、大人の料理教室に行ってきました。生きているのもやっとの運動音痴ですが秘かに料理だけは得意なんですが、誰も信じてくれません。 調理実習みたいなもので、何人かの班に分かれてレシピ通りにすすめていきます。男女6人。全員い…

着たきりすずめの涙

自宅に戻ると洗濯物がすべてなくなっていました。 結構大風がふいていたのに、気軽に干して出かけてしまったからです。 自分で戻ってこないかな 糸の切れた凧の如き身軽、を志しておりますので、ワードローブは冬物ミカン箱1個、夏物半箱、すずめの涙ほどし…

おそろしき音

修習生の時のことです。 民事裁判の修習で、裁判官より先に法廷に入ってスタンバイしているといつも天井付近から パキ、ぱき、パキパキ、と変な、しかし大きな音が鳴るのです。 ベテラン書記官のmさんは平然と言いました。 「裁判所は人のうらみつらみがつ…

ほのかな恐怖世界 最終夜 見えざる敵

通常の民事裁判では初回のみ、被告は欠席できます。 というのは原告と裁判所で期日を決めてから被告に送達されるので、被告の都合は聞いてくれないからです。しかし、2回目以降は出席する必要があります。もちろんそれまでに代理人をつければほとんど自分で…

ほのかな恐怖世界 第4夜 リカちゃん

自称不遇の幼少期、私が通っていた小学校には、ありがちな噂がありまして 1階女子トイレの右から3番目の個室に、リカちゃん人形の幽霊が出る この噂のせいで女子は決して一人ではトイレに行かず、誰かがトイレに行こうとすると男子から「右から3番目のリ…

ほのかな恐怖世界 第3夜 いるはずのない者

菊谷、いつまでお化け屋敷に住みこんでいるのだ・・・・・と聞かれそうなこのごろですが、お久しぶりです。佳人薄命万年体調不良年中忙殺につき来年は初盆です。ボス熱烈歓迎御香典ですよ~ お化け屋敷で、金槌をもった男をよく見かけることに気が付き、ひと…

ほのかな恐怖世界 第3夜 いるはずのない者 壱

学生時代、期間限定のお化け屋敷のバイトをしていました。そこは、場所がら本物が出るという有名な場所でして、夏でも本当にひんやりして、クーラーいらずの場所でした。 私の担当は「首洗いの井戸」で、たった一人井戸の横に座って、生首を洗うだけです。 …

ほのかな恐怖世界 第2夜 幸福な母子

私が今の家に越してきてすぐ、上品で素敵な親子連れに通勤時によく出会うようになりました。とてもかわいらしいかんじの30歳前後のお嬢さんとその母親とみられる上品なおば様。そしてお二人で乳母車(首が据わっていない状態のあかちゃんの)を引いていら…

ほのかな恐怖世界 第1夜 その弐

お仏壇がそのままになっている部屋に踏み込んでいるんですもの、怖いですよ。 駆けつけてみると ボスの顔面に黒いボストンバッグくらいのもさもさした固まりが突然飛びついていたのです一瞬本当にもののけかなんかと思って 先生すみません、置いて逃げるとこ…

ほのかな恐怖世界 第1夜廃屋に潜むもの その壱

頼れる同僚にして最高の遊び仕事仲間の中川がお休みをいただいておりまして、何か心もとない一週間を過ごしております。 世間はお盆。 先生、肝試ししましょうよ ・・・と言いますと、わがボス井浦謙二、季節がら怖い話をかけと言います。 しかし丑三つ時も…

摩訶不思議の国への旅 最終回 拝啓 井浦謙二様

先生 お元気ですか。 出かける前に先生とした話を思い出します。 兼高かおる 世界の旅 が憧れだったんです・・・・って、私確かに言いました。 でも今回参考にしたのは先生の机の右側の本棚にあった 「アジアパー伝」(講談社 西原理恵子・鴨志田穣) です。…

摩訶不思議の国への旅 その7 カオスの道

インドでは夕方からが本格的なお買い物タイム。5時半に仕事を終えた人たちが、涼しくなってからお買い物にでるのです。映画館にも人が集まり始めます。私も夜のそぞろ歩き。 昼は木陰で、よるは繁華街へ。そういう生活、あこがれです。 オートリクシャに乗…

摩訶不思議の国への旅 その6 笑うせえるすまん

Jaipurはその昔、ムガール帝国の都があった、宝石と織物の町です。 現在でもインド国内から買い物に来る人がいる、という割合豊かな町です。 ムガール帝国になぜあんなに城があるかというと、占星術に従って引越をしていたからだそうです。てなことで、今で…

摩訶不思議の国への旅 その5 インド版結婚できない男

個人旅行ですが、それなりの地域にも入るので、ガイドさんを手配してもらいました。 日本語と英語をほぼ不自由なく操り、みなりも割とぱりっとした、「くれよんしんちゃん」をこよなく愛する40代半ばのお坊ちゃん育ちのおっさんです。 すみません、私はひそ…

摩訶不思議の国への旅 その4 数十メートル先の異世界

ゆく河の水は絶えずしてしかも元の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて久しくとどまりたるためしなし・・・・と言ったのは室町のブロガー鴨長明ですが、ガンジスの川の流れに乗って上流で家族と別れを告げた死者が流れ着き、岸べで…

摩訶不思議の国への旅 その3 合歓の木のこかげで

誰ですか、インドの3つの気候区分は ホット、ホッター、ホッテスト だなんておしゃったのは。 インドの気候区分は、夏季、冬季、そして雨季です。今はちょうど雨季に入ったばかりです。 大変失礼ながら、インドと言えば、 ターバン、カレー、ガンジー、暑い…

摩訶不思議の国への旅 その2 直ちに健康への影響はございません。

香港、バンコクを経て12時間。 ミシミシキャシキャシ変な音がなり、カタピシ間断なく揺れ続ける飛行機にしがみつき、知っている神さま全員にお祈りし、 たどり着いた天竺 ニューデリー すでに真夜中で、空港のロビーにたむろするタクシーの強引な客引きを…

摩訶不思議の国への旅 その1

ちょっと行ってこよう、と思い立って、某国のビザを申請しました。 なんかよくわからないサーバーを使っているページなのでオンライン申請がうまくいかない。ホームページにある 問い合わせ電話に電話しました。 ビザの申請のご不明な点は 1を で 次 記入例…

それぞれの願い

早稲田通をともに空腹の同僚中川と歩いておりましたら、願い事用笹がおいてありました。 どちらともなくペンをとり・・・・ さて、笹で思い出したのですが、上野動物園はパンダのご出産でわいておりますが、早速育児放棄とか。でもまあパンダなら育児放棄し…

星に願いを

学生の頃家庭教師していましたが、とんでも通信欄を作り、どんな質問にもなんとか答える、というお楽しみコーナーを設けていました。おもしろかったです。みんなあれこれ知恵を絞って質問を考えてくれたようですが、その中に 七夕のお願いはいつ頃かないます…

となり村のおとぎ話④

赤頭巾は自分の絶対的な無実を知っていましたが、前の弁護人がなんと本当に懲戒されてしまったことに弁護士どもがみな怖気づいてしまったことに絶望していました。 赤頭巾が刑期を終えて出所後、赤頭巾は土佐鶴弁護士を訪ね、再審請求をしたいから検証してく…

となり村のおとぎ話③

赤頭巾の話を裏付ける証拠がみつからないまま、ガチ否認の赤頭巾は起訴され、公判前整理手続に付され、長い長い時間がかかってようやく第1回公判が開かれました。 物騒な時代に家族殺人、芸能人の結婚よりはるかに面白い、ごほ、けしからん話題ですから、報…

となり村のおとぎ話②

私はおかあさんに頼まれてばあちゃんにおかしと葡萄酒を届けに行きました。 事件当日のことをそのままお話しします。 私はおばあさんの家に行く途中で狼に出会いました。狼は私に日本語で、 この先の一軒家のおばあさんとこの子だね と言い、それから お花を…

となりの村のおとぎ話①

小さな県の小さな村はずれの森の一軒家でおばあさんが斧でめったうちにされて死んでいました。通報したのは通りかかった猟師 そのよこにへべれけになった赤い頭巾をかぶった女が血のついた斧を持って座り込んでいました。 で、赤頭巾こと自称作家29歳の女…