ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

摩訶不思議の国への旅 その7 カオスの道

インド摩訶不思議の国 208.jpg  インドでは夕方からが本格的なお買い物タイム。5時半に仕事を終えた人たちが、涼しくなってからお買い物にでるのです。映画館にも人が集まり始めます。私も夜のそぞろ歩き。 昼は木陰で、よるは繁華街へ。そういう生活、あこがれです。   オートリクシャに乗りました。夜は涼しくて、スリル満点で、素敵な乗り物です。 インドの道路は、自動車、三輪のオートリクシャ、人力のリクシャ、神出鬼没の自転車、馬車、放し飼いの牛、がまんべんなく行きかいます。驚くことにそれぞれが、それぞれのスピードを保ちながら、同じ道を行き交います。 物資を運ぶ自転車は、たとえば200箱もの靴の箱をものすごい積み上げ型で荷台に積んで走るもの、10メートルほどある管を数本積んで走る自転車もあります。 牛はきわめて自由です。でも私の見ている限り誰もぶつかりません。 自動車に乗っている時も何かにぶつかりそうで怖いのですが、オートリクシャに乗ってみるともっと恐ろしい思いをします。オートリクシャになると、道路上では自動車よりは弱い存在となるからです。 これらのテンポも力も全く異なる通行者が事故を起こさずに流れているのは、「ひく」ということをうまく心得て走っているからでないかと思います。自分より弱い力のものには決して必要以上に強気に出ない。乗用車はオートリクシャや自転車には注意し、強引にさえぎったりはしませんし、オートリクシャは自転車や牛、馬車に対して強気にはでません。そのバランス感覚は見事です。強気に出ず、力加減を加えることで、むしろスムーズに前に進む、ということなのだと理解しています。  むかし、ボスに言われた、完封勝ちはよくない、8割で勝つのが一番いい解決だ、という謎かけを思い出します。強気に出れる相手に強気にどこまででるか、という話です。 それにしても八墓村で49日かかって合宿免許(オートマ限定)を取得した私には青い本にも赤い本にも到底出てこないここでの注意義務の難易度は到底クリアできません。  と感心しているうちに、オートリクシャは乗用車の入れない路地裏に入ります。道端で値段交渉している街娼がいたりします。普段の生活により近い場所を同じ空気を吸いながら走るのは、とても楽しいのですが、人気のない場所にさしかかり、さすがに一瞬 菊谷はインドの土になりました という文章が頭の中をよぎります。 ちゃんとお知らせに化けて出ますので、ボス     平成24年7月28日 文責 弁護士 菊谷淳子