ほのかな恐怖世界 最終夜 見えざる敵
通常の民事裁判では初回のみ、被告は欠席できます。
というのは原告と裁判所で期日を決めてから被告に送達されるので、被告の都合は聞いてくれないからです。しかし、2回目以降は出席する必要があります。もちろんそれまでに代理人をつければほとんど自分で行かなくてすみます。
私の実家近く、K地方裁判所A支部での出来事です。
その日は期日というよりは野暮用だったので、用事が終わると午後4時を過ぎていました。裁判所があいているのは5時まですから、 だいたい4時を過ぎると人気がなくなります。節電もあって廊下も薄暗いし。
この裁判所、駅から微妙に遠いので、バスを待たなければなりません。トイレを借りそうな場所は近くにない。以前この近所のスーパー ●レスコのトイレを借りようとしてひどい目にあいましたから、帰りにトイレに寄っておこうと思い、トイレに入りました。
裁判所のトイレは、申し訳程度に作ったとしか思えないレベルのもので、女子トイレは個室が2つ、これがスタンダードです。
私が個室に入っていると隣に誰かが入りました。こんな時間に御苦労さまです。
・・・・あ、●●? わたし今裁判所。・・・・
電話しているようです。こんなところで電話しなくても。
・・・・お前、嘘ばっかしやわ。ええかげんにせえちゅうねん、裁判出てこいっちゅうねん・・・・
相手方こなかったのでしょうか。隣は女性です、念のため。
・・・・お前、一遍死んでこい、しね。・・・・
穏やかならぬ展開になってきました。
・・・・聞いてんのか・・・・
相手も怖いでしょうね。
その時です、本当におそろしい事態に気がついたのは((;゚Д゚)))
聞こえてしまったのです。
・・・・おかけになっ・・・番号をお確かめ・・・おかけになっ・・・
平成24年9月1日 文責 弁護士 菊谷淳子