ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

それぞれの願い

早稲田通をともに空腹の同僚中川と歩いておりましたら、願い事用笹がおいてありました。 どちらともなくペンをとり・・・・ さて、笹で思い出したのですが、上野動物園はパンダのご出産でわいておりますが、早速育児放棄とか。でもまあパンダなら育児放棄しても親代わりは手ぐすね引いていますから・・・・ 人間の世界で親としてふさわしくないと考えられる人物から親権を取り上げるのは非常に難しいです。親権喪失は要件、手続きともに難しいです。 しかし、それは親権という親子の間の重要な問題に第三者が関与するのだから法律上の厳しいのは当然です。 しかし、このような手続きをとる場合に私たちの前に立ちはだかるのは大抵、児童相談所です。児童相談所虐待をした親が子供を引き取るのには非常に協力的ですが、第三者が手を差し伸べようとすると徹底的に拒みます。申立の管轄を知るために必要な子供の所在地すら教えてくれません。 私の微々たる経験では、その背景には「どのような親であっても親が子供を見るのが一番いい」という考えがあるように思います。しかしそのようなものはファンタジーです。   「親子」というものは様々です。葛藤を抱える関係、支え合う関係、敵対する関係、自分の知っている親子関係だけが親子のスタンダードではないのです。    個別具体的な事情に照らした子供の最低限の安全も守ろうとしないで、親子の多様性を看過しどんな危険があっても「親子神話」をかたくなに守る、その信念の強さは驚嘆いたします。  個別具体的な事情をきちんと把握し、まさに助けを必要とする人にちゃんと手を差し伸べる、行政にもそうであってほしいですが、少なくとも法律家はそうでありたいと思います。 え、私と中川の願い事ですか? もちろん    皆さまの幸せを祈りました ・・・・と言いたいところですが   IMG_0009.JPG    2人とも私欲に走る 中川のメタボは誤診です。     平成24年7月9日 文責 弁護士 菊谷淳子