ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

法律事務所

憧れの花見

桜が満開です。今日は中央線に乗って四ッ谷、市ヶ谷、飯田橋…本当に眺めているだけでためいきのでるような美しい光景でした。 桜が咲くといつも思いだします。私が一番好きな柳屋小さんの噺、長屋の花見。 お金のない長屋の店子たちが大家に連れられて上野公…

空の上の鯉

恐ろしいものはたくさんありますが、私は高いところと狭いところが苦手です。その両方を容赦なく兼ね備えているものの一つが飛行機です。 ある日、現地に到着しようかといったころから、機体がひどくゆれはじめました。CAも着席しています。普段なら「気流の…

やまいだれの心

先日から後頭部に強い痛みがあります。吐き気もしてきました。「後頭部 痛み 吐き気」で検索するとはんぱなく恐ろしい病名が容赦なく出てきます。 震えながら事務所の医学事典を開いてみます。 何を読んでも重病に思えます・・・ 楽しい人生でした。 意を決…

お山の大将放浪記

このところ、知らない弁護士からよく電話がかかってきます。どこまでも続く総本山の大将日弁連会長選挙、その支持集めの電話です。 好きな言葉は博愛主義、しかし座右の銘は御都合主義 人に何か言われたくらいで投票先を変更するつもりは決してありませんの…

神田川のほとりで

雨が少したくさん降ると、やるきのない一級河川神田川もごぼごぼお仕事をしています。 この川をちょいとゴムボートで下ればうまいこと職場にたどり着けるのですが、目下ゴムボート物色中です。 神田川といえば、やはりあの、手ぬぐいをマフラーにして四畳半…

名のるほどの者では

卒業・入学のシーズンですね。 自称不遇の幼少期、幼稚園に入った私が一番気に入らなかったのはクラスの名前でした。 年少組は花の名前で統一されていたのでしたが、私は「たんぽぽ組」 花屋に売ってません、色は地味に黄色、生息地は地べた、最後は白髪にな…

ネコにゴハン

本日は、I県U市、首都圏最大級墓地(大仏完備)の近くの野道をとぼとぼと歩いて仕事先に向かいました。 この場所にたどり着くには最寄駅からバス25分。バスは1日5本で最終が午後4時19分。 飛行機に乗るときよりシュールなスケジュール管理が要求さ…

一筆啓上 父上様

お元気ですか。 なかなか帰ることができなくてすみません。 ジム通いも順調そうですね。 今の仕事についてから、当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかったとやっと気づきました。 お父さんとお母さんが仲良くしていること、子供たちには惜しみなく…

木偶の坊のつぶやき

今は食べますが、自称不遇の幼少期、私はチョコレートが苦手でした。あの茶色が嫌いで。 困ったことに、「一般的には好まれるもの」だと思われているものが苦手と理解してもらえることは非常に困難です。特にその理由が変わったものである場合にはさらに理解…

見つめ合う親子

法務省地下、滅多に行きませんが行くときは必ず立ち寄るお店があります。 キャピック(刑務作業製品)のお店です。 ここでは各地の刑務所で作られた製品が売られています。丁寧に作られた製品が多いですし、お値段も安め。これを作っている人に少しでも励み…

「殺すつもりはありませんでした」の残酷さ

私は三面記事が大好きです。とくに日本を代表するクオリティペーパー、日刊●ンダイの三面記事は愛読しています。三面記事しかも興味本位でしか書いていないああいう記事でも参考になることはあります。本当です。大手新聞に書かれているような当たり障りのな…

ほんまのパチもん

恐ろしいものはたくさんありますが、私は空港で「仕事」している犬になぜかよく追いかけられます。 後ろ暗いところなんて全くないのに、こういうお仕事犬が寄ってきた瞬間、世間様が気になって心臓が乱打します。冷汗がでます。歩き方もぎこちなくなります。…

なのはにとまれ

先日、アブラナの花がとても可愛らしかったので事務所のデスクの一輪ざしに飾ろうと思って買ってきました。明け方ころカタカタ起案していると、はっぱがもぞもぞ動いたような。ついに目がもう閉店時間かと思ったそのとき、小さなアオムシ発見。 有名なエリッ…

おひな様の蒸発②

さて、別居親が子供と面会する権利を面会交流(以前は面接交渉と言っていました)。 まだ取り決めがない場合は、父・母の間で協議してとり決めます。しかし、父・母間の関係が悪化し協議で決まらない場合は家庭裁判所に調停を申し立てます。それで決まらなけ…

おひな様の蒸発①

私のおひな様は超合理主義者だった祖母が選んだ2体の市松人形。よくみかけるひな壇のおひな様とは違って家来の方々もいません。家財道具もありません。身軽です。 ただ、私も母もああいうお祭りにあんまり興味はなかったので、自分から飾ろうとしたことはあ…

ネコに遺言

朝8時ころ、お掃除ロボットのスイッチを入れ、ぴしゃぴしゃと額をたたき起こしてくれ、時々「朝食」(にはしてません絶対に)の瀕死のすずめを枕元に運び、帰宅すると気分次第でマッサージをしてくれる・・・・・自称家政婦のはるさん。 はるさんは岐阜県大…

過去からの手紙

自称不遇の幼少期、友人Sちゃんと2人で埋めたタイムカプセルが庭から出てきました。5歳の私は何を埋めたのか、どんなものを宝物にしたのか・・・・ 多少はわくわくして開けてみたところ、出てきたのは、ビニールでくるまれた茶封筒と5歳の自分からの手紙…

心の痛みの時効は

三丁目の夕日という映画の中で私がとても気になっている人物がいます。三浦友和さん演じる宅間という小児科医です。まじめで、物静かで、街の人に信頼されているお医者さんで、一軒屋に一人で住んでいます。 私がこの人物について気になったのは、東京大空襲…

立つ鳥後始末残さじ②

家主からの過大な請求の中には、例えば、修繕費については部屋の改装費も関係ない部分まで改装している(お風呂で死亡しているにも拘わらずキッチンをシステムキッチンに改装する費用まで請求している)といった場合、アパート1棟丸ごと建て替える費用1億…

立つ鳥後始末残さじ①

私が初めて買ったCDは、ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバム「そよ風の贈り物」。中古CDでしたが、大事に今も持っています。 お風呂での無事故無事件を心がけている私にとって、そのホイットニーがバスタブの中で溺死していたという他人事とは…

必殺バレンタイン

今日は単なる雑惑を。 私がひそかに尊敬している室町のKY賢人吉田兼好は、よき友人とは、と題してとんでもないことを言っています。 「ものくるる(くれる)ひと、医者、智恵ある人」 ・・・・吉田兼好の友達はこれを読んで彼を友達だと思ったかどうか微妙で…

最期の証明②

実は日本での変死体の司法解剖の割合はわずか9パーセント。91パーセントの変死体は解剖もされません。先進国では最低打率です。 しかし、東京、大阪など大都市ならまだいい方です。 司法解剖にはそれなりの規模の設備が必要です。また、監察医制度を設け…

最期の証明①

寒い日が続きます。あんまり寒くて、露天風呂気分を味わいたくなり、コンビニでパック酒を買い、お風呂に持ち込んでみました。泥パックもついでに全身に。しめて298円のエステ付き温泉・・・・ ところがなんだか様子がおかしい・・・・・連打する心臓、乱…

遠くて近き道

関東近郊I県某駅を降り、1日5本しかないバスのありがたい1本に乗りコトコト25分。それにしても寒いなあ、今日は・・・・ と、いきなり宣伝が流れます。霊園の。かいつまんでいうと、 春には様々な花が咲き乱れ♪ 猿回しも人気です♪ 大仏完備♪ とその時、…

豆まきがしたい!

2月3日、私が学生時代を過ごした京都では節分会の季節です。 京都では暴走族だって特攻服を新調するこの時期、私もなんだかそわそわします。 そうだ、豆まきがやりたい。ぱあっと、ぱあっと。 お子様に混じってスーパーで豆とお面を買い、さりげなく事務所…

人を裁く重さの意味

裁判員制度が導入される際、一番世間で言われていたことは、「死刑判決を出すことの重さ」とか「裁判員が被害写真をみて心理的外傷を負うのではないか」というものだったように思います。 神戸地方裁判所で平成24年1月13日、ある裁判員裁判の判決が出まし…

お知恵を拝借

実家から珍しく電話が。「初詣、お父さんと行ってきた。良縁祈願のお守りもらってきたから送るわ。」 信教の自由(憲法20条)は親子間であっても尊重されるべきですが、日頃の親不孝を思えばそうはいきません。はいはい、お待ちしております。 さて先日、…

明るい遺言の書き方②

外に何かいうことはなかったかしら・・・・ああそうだ。 4 葬儀は地味にしてください。参列者は1000人くらいで締め切ってください。締めは三本締めで。お坊さんにはちゃんと領収証をもらっておいてください。 5 骨は、我が家の共同墓地(歴代の金魚、…

明るい遺言の書き方①

弁護士が書くブログですから、何かこう、こぼれ話・・・・な話でも書けばよいのかもしれませんが、私たちには守秘義務がありますから、お客様のことは絶対に書けません。従って、もちろん、自分のことを書きます。 さて、昨年8月に病気で手術をしました。職…

祈りをこめて

1月17日、この日がくると、この一年一生懸命生きてきただろうか、と振り返ります 関西出身者には忘れることのできない阪神・淡路大震災の日です。 自宅の倒壊も大きなショックですが、駅も、道路も全部だめになっていて、立ち直れないのではないか、もう…