恐ろしいものはたくさんありますが、私は空港で「仕事」している犬になぜかよく追いかけられます。
後ろ暗いところなんて全くないのに、こういうお仕事犬が寄ってきた瞬間、世間様が気になって心臓が乱打します。冷汗がでます。歩き方もぎこちなくなります。大きいですから怖いです。しかし周囲の目の心なしか冷たいこと。
身に覚えは全くありませんが、新聞の見出しが頭をよぎります。
「弁護士 ●醒剤密輸容疑で逮捕 本人は否認」
たまたま東京税関見学に行く機会がありました。
好きな言葉は真理の探究 座右の銘は物見遊山
どうしてあの犬がしょっちゅう寄ってくるのか、知るチャンスです。
税関で取り締まっているのは、麻薬・覚醒剤・銃器などの法禁物、ワシントン条約で保護されている野生動植物、バーゼル条約(「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」)違反の有害廃棄物、児童ポルノ、外来生物法(「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」)違反の生物、盗難自動車、コピー商品など知的財産侵害品です。
展示コーナーにはこれまで押収した薬物、模造品などの知的財産侵害品、ワシントン条約違反物などの展示のほかその密輸の手口の公開されていました。密輸方法にも流行があり、一時期はカーボン紙にX線遮断の効果があるといってカーボン紙でコカインをまくことが流行っていたそうです(しかし実際にはカーボン紙にその効果はない)。
知的財産侵害品についてはは輸入差止申立制度(関税法第69条の13、 同法施行令第62条の17)があり、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権及び育成者権を有する者または不正競争差止請求権者が、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸入を差し止め、認定手続を執るべきことを申し立てることができます。申立をしてから受理されるか否かの決定には1か月かかります。
また逆に輸入申告品がそういったものに該当するかしないかの判断にも申告から約1か月かかります。
私が知りたかったお仕事犬たちの事も出ていて、おとなしくて人当たりの良い犬が外勤(人間担当)。そうでない犬は内勤(荷物担当)と、マクドのバイトの振り分けみたいに分けられていることも、実は仕事ではなく「遊び」としてやっていることも教わりました。
犬が探知しているときににおいだけでなく、挙動でも判断しているということも・・・・
それにしても、税関マスコットのカスタム君、
http://www.customs.go.jp/zeikan/customkun/index.htm
私には君が、某人気番組のキャラクター●んまくんのパチ・・いやなにそのよく似ているような・・・、アレな感じがしたのですが。
平成24年3月8日 文責 弁護士 菊谷淳子
※パチもんとはパチったものすなわち「まがい物」を意味する大阪弁です。