ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

明るい遺言の書き方②

 外に何かいうことはなかったかしら・・・・ああそうだ。

  4 葬儀は地味にしてください。参列者は1000人くらいで締め切ってください。締めは三本締めで。お坊さんにはちゃんと領収証をもらっておいてください。

 5 骨は、我が家の共同墓地(歴代の金魚、小鳥が眠っている)であるねぎの苗のプランターにまいてくれればいいです。

 6 皆様、心から御礼を申し上げます。ありがとう。

 告白もしておこう。

 7 弟へ

 27年前のクリスマス、Mr.Sと偽名を名乗って返事を書いたのは私です。あなたはサンタからの返事を受けとって狂喜乱舞し、「貧乏になったら売るねん」と言っていましたが、決してその手紙、サザビーに出品したりしないように。

 お礼も

 8 親愛なるボス井浦謙二様

 もったいないくらいの高額なお香典心より感謝しております。

 遺言で効力を有する事項は限られています。主として財産の処分に関する最後の意志表示である①相続分の指定または指定の委託(民902)②遺産分割方法の指定または指定の委托(民908)③遺産分割の禁止(民908)④遺贈(民964)⑤一般財団法人の設立(一般法人法152②)⑥信託(信託2②Ⅱ,Ⅲ)⑦推定相続人の廃除及び取消(民893,894)⑧特別受益の持ち戻し免除(民903③)⑨相続人相互間の担保責任の指定(民914)、⑩遺留分減殺方法の指定(民1034但書)

 このほか身分関係に関するものでは⑪認知(民781)⑫未成年後見人の指定及び未成年後見監督人の指定(民839,848)

 それ以外でも重要な事項として、⑬祭祀承継者の指定(民法897)と⑭遺言執行者の指定又は指定の委託(民1006)、⑮生命保険金の受取人の変更(保険44)そして⑯遺言の撤回(民1022)です。

 従いまして私の遺言に書かれているほとんどの記載は無益的記載事項で法的効力はありません。しかし法的効力のないものを書いても遺言自体が無言にはなりません。

 書くべき事、いや、財産がまだ少ないから余計なことばかり書くわけです。

 さて、遺言というよりは挑戦状のようになってきました。  

 

 自筆証書遺言の怖いところは、成立の真正を争われる可能性があることです。

 自分らしい遺言を、というつもりが、怪文書になってしまっているのが残念です。

      平成24年1月23日 文責 弁護士 菊谷淳子