ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

最期の証明①

  寒い日が続きます。あんまり寒くて、露天風呂気分を味わいたくなり、コンビニでパック酒を買い、お風呂に持ち込んでみました。泥パックもついでに全身に。しめて298円のエステ付き温泉・・・・

 ところがなんだか様子がおかしい・・・・・連打する心臓、乱打する脈拍

いかん、このままでは・・・・

 「風呂場で不審な女性変死 事故・事件の両面で捜査」

見出しが頭をよぎります・・・・

 修習生の時に見学した司法解剖も思い出されます

「皮下脂肪、3.8センチ」

解剖されるもんですか・・・・

死体が見つかり事件性がありそうだ・・・・という場合には司法解剖をします。裁判所の令状によって行う解剖で、遺族の同意なくできるものです。

そして解剖も含めて捜査がされるのか、事件性の有無の判断については、医師による死因分析ももちろん大切ですが、検視官による判断が大きくものをいいます。

検視官は、警察官で刑事の経験を積んだ人のなかから選抜され、1年以上医局などで研修を受け、変死の事件性の有無を判断するのだそうです。医師ではありません。経験に基づく判断です。検視官も司法解剖には立ち会います。

その数、都内には10人足らず。とても足りない数です。しかも検視官に聞いてみたところ検視官になるのに非常に長い研修期間が必要であるにも関わらず、なかなか続かないとのこと。それは事件性を安易に判断して無駄な捜査をしてはならないというプレッシャーと埋もれてしまう事件を作ってはならないというジレンマに耐えかねるからだそうです。

いずれにせよ、解剖するかどうかは、勘と経験で判断されるわけです。

ところで検死官は、どろだらけで、風呂場に沈んでいる私を解剖行きにするでしょうか。 (続きます)

平成24年2月9日 文責 弁護士 菊谷淳子