ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

夜の国から1 神のみもとは?

 

 大好きな氷国再訪。北極圏なので今この国は一日のほとんどが夜です。 夜型ですので、大歓迎ですが。 
 この教会は世界で最も北限に建つ教会で、レイキャビクのもっとも有名なランドマークです。 アイスランドの国教はプロテスタントキリスト教(ルター派)で、国民の8割が信者だと言われていますが、実際は違うようで、神様を否定はしないが信じていない人が3割、神は幻想であると積極的に否定する人たちも2割弱いるようです。
 この10年ほどの経済危機と天災という苦難が神様から人を遠ざけたのかもしれません。 日本人の仏教との距離感と少し似ているような気がします。 迷信と異なる、ごく一般的な宗教は個人的な生活規範であるかぎりは、法規範と同じような働きをします。
 仏教だって、キリスト教だって、「殺生してはならない」「盗んではならない」という規範があり、それは人として生きるためのごく一般的なルールです。反すれば法律にも反するようなものが大半です。これはユダヤ教でもイスラム教でも同じです。  
 しかし個人的な生活規範や哲学としての存在を超え政治的になってしまうと、他宗を認めない、という性質をもついわゆるカルトになってしまいます。
 大体のカルトは過激で分かりやすいですから、精神的に自立していなかったり、未熟であったりすると魅力的に見えるものです。 ではこのアイスランドの神様空白部分に、カルト等がはいりこだりしないのでしょうか。 レイキャビクの本屋では、心を落ち着かせるために、というマンダラ塗り絵の本がたくさん売られていました。
 種類も豊富で流行っているようです。心を鎮めるのは自分でね、という北欧らしい考え方です。心の糧は神のみにあらず。 将来、カルトが入り込む可能性が0とは言い切れませんが、哲学としての宗教観は、現在のところ我が国のそれより成熟しているのかもしれません。 
 カルトというのは、なにかにすがりたいという気持ちに入り込みます。まずは自分でね、という自立の考えの社会には入りにくいのかな、と思います。 それに、この国にはよくも悪くもそういうすがりたい派がすがる、黒魔術が有りますので。
 
  ところで、私は、この教会を杖とも柱とも頼みにしております。 ホテルまでの目印にね(΄◞ิ౪◟ิ‵ )