ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

とりとめのない顔

アレ何だったかな(΄◞ิ౪◟ิ‵ )…

その物は思い出せるのに名前が思い出せない物が時々あります。 ハロウィンに仮装しなければならなくなったのでいろいろと考えていたところ、ふと、昔豆まきでつけたお面のことを思い出しました。

 あれ、こういうときにちょうどいいんだけどなあ… ちょっと表現しにくいのですが、笑っているような、泣いているような、怒っているような、困惑しているような、ほくそ笑んでいるような、とにかく強烈な表情のお面です。
  何かのおまけだったと思うのです。でも何のおまけだったか思い出せません。 しかしだれかに聞こうにも、詳細が思い出せないので絵に描くこともできません。むむぅ… 

  さて、ある事件の犯人を目撃したときに、警察署で、目撃された犯人と似たような年格好・同じ性別の人の顔写真が何枚もスクラップした写真集を渡され、その中からこの人です、と目撃者が犯人を見分ける捜査が行われることがあります。通称、面割り、というものです。 
 もし皆さんが裁判官の立場に立ったとして、質問です。 何十枚もの写真のなかから目撃者が被告人の写真を選んでいたらその目撃証言は間違いなく信用できると断言できるでしょうか? 
 私は前から疑問に思っていることがあります。 皆さんは知り合いでもない、会話をしたわけでもなく、短時間ただ見かけただけの人をどうやって記憶しますか? 私だったら顔の詳細より、背が高いか低いか、やせているか太っているか、どんな格好をしているかという風貌がまず記憶に残るのではないかな、と思います。
 そうすると顔なんか外の写真と区別できるほど覚えていないのではないかな、と思うのです。しかし面割りの写真はあくまで顔写真のみです。  

 ではもし目撃者もそういう状況だったとして、被告人たった一人をたくさんの写真の中から選ぶことができたのは…どうしてでしょうか。

  実は、被害者の面割り供述の信用性がなく、被告人が犯人であることに合理的な疑いが残る…として無罪になった事件があります。これは被害者の証言であり、間近で顔を見ている場合なのですが。

  その事件でなぜ被害者か被告人の写真を指示したのか。それには面割りの写真の中でその写真1枚だけがちょっと外と違ったアングルで撮影されており、暗にこれ、といわんばかりの写真だった、というからくりがあったのです。

 面割り自体全く役に立たない捜査というわけではありません。しかし絶対ではないのです。


 さて。あれ何だったかなあ…と、考える毎日。神様は突然おりてきました。 ご近所さんからいただいたお土産の中に。 ああ!これです!

にわかせんぺい.gif 

 このお面、本当は何に使うのかどなたかご存じでしたらご教示下さい。 
 平成25年10月31日 文責 弁護士 菊谷淳子