場違いな歓迎 2
一番考えられること、それは
被告人と間違えられた
しかしこの法廷は、いわゆる在宅(被告人が身柄拘束されず、自宅に戻っている)事件ではありません。身柄が拘束されている被告人が、ちゃんと在廷しています。
はて、検察官、弁護人、被告人、書記官、ポンチョ、みんなそろって・・・・そうか、
情状証人
我が国の刑事裁判のほとんどは事件をやったかやってないかを争ういわゆる否認事件ではなく、罪となるべき事実は認めた上で、その情状を争うというものです。
情状証人というのは、同情すべき点、今後の監督など被告人に有利な事情を証言するための証人です。たいてい両親や配偶者などの親族、友人、上司など何らかの関係がある人がたちます。そして証言台に立ち、被告人の犯罪に至る経緯や、今後の監督などについて5分から10分程度証言します。
刑事事件で逮捕・勾留されて不自由な日々を送り、はたまた裁判の日まで不安な日々を過ごしてきた被告人にとって、法廷で証言してまで自分を応援してくれる人がいるという事実は、本人の心には意外に響くものです。
裁判官も検察官も、情状立証は毎日飽きるほど見ていますから、はよ終われ、くらいに思っているかもしれません。
しかしその被告人にとっては(ベテランの方はともかくとして)その時その証人がそこに立ってくれることには少なくともその時だけでも、それなりの気持ちがわくのです。
その時だけでも、自分を大切に思ってくれる人、自分の更生を願ってくれる人がいる、という事実に感動し、その感動が、もしかしたら、次の犯罪を防ぎ、被告人を社会へ戻してくれるかもしれないのです。
ですから、情状証人は大事です。
ただ、どんな人でも、5分程度の短い質問であっても、証言台に立つのは緊張します。そして情状証人からできるだけ、被告人への温かい、被告人に響く言葉を引き出すには、弁護人とのコミュニケーションは大切です。
私だったら、遠方に住んでいて、一度も会えないのならせめて裁判前にわずかでも打ち合わせをします。
本来あってはならないのは、情状証人が来ない、ということではなく、
弁護人が、知らない情状証人と裁判に臨んでいるということなのです。
・・・・それにしても・・・・(ポンチョ、あほ、気付け (´^ิ益^ิ` )/ )
結局、そのまま情状証人なして終了。終了後ポンチョは
「いや~絶妙なタイミングでお前入ってきて、おおっちょうどええわ、と思てんけどなあ・・・・」
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)!
平成24年12月19日 文責 弁護士 菊谷淳子