場違いな歓迎 1
法廷には、その法廷を使う裁判官の名前とその日開かれる事件の表が貼ってあります。
私はそれをひととおり眺めるが趣味なのですが
ある裁判所にて、担当裁判官のところに偶然友人ポンチョの名前を発見
お、刑事裁判。しかもいまやってる。どれどれ傍聴。
裁判の公開は見せ物ではないというのが私の信条ですが、
傍聴するなら刑事事件です。
本来は、裁判は、口頭主義といって法廷で口頭で行うのが原則ですが、
すべての事件でそのようなことをしてしまうと時間がかかりすぎてしまいますし、
主張も整理できないので、民事事件では証人尋問以外は書面をあらかじめ提出し、
それを法廷で「陳述します」の一言で、読み上げたことにしてしまう、という半ば儀式のようなことをして5分で終わってしまいます。
そして民事の証人尋問は、登場人物の関係や、事件の内容や争点はあらかじめ整理されていますから、傍聴してもよくわからないことが多いのです。
ですからリアルな民事裁判は、リアルな刑事裁判と違ってドラマにはなりえません。
刑事裁判だと傍聴しても不自然ではありませんから助かります。
・・・・というわけで、ポンチョの勇姿を拝見しにちょいと・・・
ところが、扉を開けると、裁判官も書記官も、検察官も、被告人も、弁護人も、みんな揃っていて全員がこっち見ています。
「お待ちしていました」な感じ
弁護人 「ささ、どうぞ 中へ」(ニコニコ)
偉い歓迎ぶりだ・・・・いや、いいのか弁護人
ポンチョまで
「どうぞ証言台に」
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)?
(続く)
平成24年12月14日 文責 弁護士 菊谷淳子