悪魔の密室
私は狭いところが苦手です。
なんだか空気が薄くなって、呼吸がだんだん苦しくなるような気がするからです。
狭い上に動くなんて、もう悪夢です。
エレベーターなんて、
ギロチンみたいな鉄の扉をくぐり、
あの狭い空間に閉じ込められ、
ロープ一本で上下するのです。
ああ怖い。
・・・その恐ろしさは映画になったくらいです「悪魔の密室(1988年 オランダ)」
ところで、ことこと電車に乗って数時間、 地の 関東平野の果ての裁判所にやってきました。
前からふしぎでした。
この建物、4階建なのですが、職員は絶対にエレベータを使いません。
地元の弁護士さんも4階まで歩いてのぼっておられます。
節電意識が高いのだろうか?
・・・・とエレベーターに乗り、物騒な張り紙発見。
こんなん見ただけであわてますよ。
余計な仕事はしない主義の裁判所がわざわざこんな張り紙をこしらえてくださるには
それなりの理由がある
さて、裁判所でもエレベーター以外で小部屋に閉じ込められる悲惨な期日があります。
弁論準備、といって、法廷ではなく、裁判所の書記官室の奥の小部屋で、裁判官と近い距離で話し合いをするというものです。
この弁論準備が行われる部屋は、大抵の場合、非常に狭くて、窓もなくて、圧迫感があります。修習生の時ははじのほうに申し訳程度に座っていたので、気がつかなかったのですが、真ん中にすわると非常に圧迫感があります。
ああ、酸欠、酸欠、酸欠、酸欠。
しかし残念な事に日本の民事裁判は通常、ほとんどがこの弁論準備期日です。いわゆる「法廷」が開かれるのは、ほとんどの場合、最初を含めほんの2、3回、それ以外は証人尋問の時くらいです。
ほとんどはこの小部屋で争点を整理したり、和解ができないか探ったりします。
当事者からすると、なんだか両当事者の代理人と裁判所が結託して談合しているように思われるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
大事な手続きです。
しかし
裁判官、また太ったな
など、酸欠加速度アップするときには軽く殺意も芽生えます。
さて、この裁判所でエレベーターにこんな張り紙がある理由
○ンドラーって読めます、気のせいですよね。
ボス、熱烈歓迎御香典・・・・
平成24年12月13日 文責 弁護士 菊谷淳子