ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

新緑の里から

DSC_0369.JPG さりげなくメリケンな青森三沢空港に降り立ち、バスを乗り継ぐことなんだかんだ小1時間。 新緑の美しさに目を奪われながら、重度の知的障害を持つ方の入所している施設に面会に来ました。 この日は面会日なので、入所者もみな興奮気味です。 面会にいつも誰かが来てくれている人は期待に満ちた表情をしていますが、そうでない人も。 予想していなかったのでしょう、「こんにちは、●●さんに会いにきましたよ」というととてもうれしそうな顔をしてくれました。遠かったけど、来てよかった。   ちなみに、ここにきて感じたことを率直に書きます。   この施設には非常に重度の障害を持つ人と比較的軽度の障害を持つ人との両方が生活しています。食事・排泄のすべてに介助を必要とする点では重度の介護は本当に大変です。   しかし、軽度の場合だからといって重度より大変でないとは限りません。   自分で動き回ることができるために、女性の来客を見ると追いかけまわす人   ある程度のコミュニケーションができるために、かえってコミュニケーションをとれないことに不満といら立ちと募らせ、それが行動に表れてしまう人   こういう場合に自宅で一緒に生活し、年中監視することがどんなに大変か   社会から孤立しかねないと思います。   障害や介護などでは分類として等級をつけますが、監護する側からみるとその大変さは等級には必ずしも比例せず、むしろ軽度だからこそ直接の介護以外の面での大変さもあるなあと思いました。しかしこういう介護以外の困難さについて行政からの支援は予定していないところです。少子高齢化社会であるにも関わらず介護はなるべくそれぞれの家庭で、という厚労省の方針では、これらの等級に必ずしも比例しない軽度の要介護の場合、介護の困難に直面し、社会から孤立する高齢家族が多く出るのではないかと感じています。 ところでここ、電波が通じません。帰りのバスを逃すとリアルにヒッチハイクです。いやボス、カージャックではありませんって。 さて、ボスにお土産・・・・ DSC_0366.JPG
平成24年6月9日  文責 弁護士 菊谷淳子