とおい国のおとぎ話①
シンデレラは12時が近づいているのに気が付いて早く帰りたくなりました。一発逆転の婚活のために来たはずの舞踏会ですが、おフランスな王子様に関西弁は通じないし、はよかえってジャージに着替えてポテトチップスかじりがらサッカー中継みたい。履きなれてないガラスの靴で靴ずれして脚も痛いし。
王子そこどいてよ。
重たい2kg相当のガラスの靴は見事に王子様の左前頭部に命中し、王子倒れました。
死んだかな。
でもサッカーが見たかったシンデレラは靴ずれの足を引きずりながらそそくさと帰宅。
ネズミとゴキブリと仲良くポテトチップスかじりながら寝転がってウルグアイ戦を楽しみました。ああ幸せにくらしましたとさ。
ところが翌日 王子に対する傷害致死容疑で捜査が始まりました。王子様はガラスの靴が頭にあたってそのままお亡くなりになったのです。
翌々日、捜査官は凶器となった片方の靴を持参し村の家家を回りました。この靴をはくことができる娘はいるか。
シンデレラはあわててお水をたくさん飲んで、もう片方の靴はたたき割って処分しました。ドレスも焼却処分。これで物的証拠なし。むくんだ足はかたいガラスの靴に入りません。
が、防犯カメラに映っていたシンデレラの姿が公開されると、事態は急変しました。シンデレラはあっさり逮捕されそのまま勾留されました。
シンデレラは完全黙秘を貫きました。もともと仕事は無報酬の自宅警備ですから否認して勾留期間フルコースになってもへっちゃらです。魔女のおばあさんから魔法の言葉も教わってきましたから全然平気。
本名は 知りません、
住所は 覚えてません、
生年月日は 言いたくありません。
続きます
平成24年6月25日 文責 弁護士 菊谷淳子
あのう、ところどころ行動がリアルなのは気のせいです。