戦慄の七夕②
若者が天女を追わないで、「今までごめんね、残りの人生は君の好きにして下さい。ありがとう」なんて、さっさと自分から離婚届判子完備フル記入済でも送っていれば、彼は天女の心の片隅くらいに残れたかもしれません。七夕も美しいお話になったかもしれません。
しかし、かれは死んだ牛の皮に乗って天までおいかけていきました。
天女への愛情じゃありません。そういうのは
自分のためでしかありません
天女これ見て舌打ちします。これでも食らえっ!っと金のかんざしをなげます。金のかんざしはたちまち天の川となって2人の間に広がりますが、若者は牛に言われて革袋の中に黄砂をつめていましたから、砂をまいて土手を造り、さらに追いかけます。
天女は、さらに銀のかんざしを投げます。
銀のかんざしもたちまち大きな河となり、2人は河の西と東に分かれます。
若者はそれでも諦めきれず、子供がかわいそうじゃないかとかいろいろ説得を試みようとします。
そんなもん、響くもんですか。
子供がかわいそうじゃないかとか相手方に言う当事者に限って自分のことしか考えていません。本当に子供のことを思っているのなら、俺一人で幸せにして見せる、って言いなさい。
それに、DVとかモラハラの家で子供が多数生まれるのは、男の方に最低限度のデリカシーと思いやりがなかったことの当然の結果に過ぎません。
女とはすでに嫌気がさしている男が泣きを入れている姿を特に嫌う、そういう生き物です。
天女、ついにキレます。
しね、彦星 (◞≼☉≽◟◞౪◟◞≼☉≽◟)
殺傷力の高い機織りの樋を投げつけます。刺さったら即死です。
若者も牛の骨を投げつけて応戦します。もう泥仕合です。
で、天の川が血の海になる手前で
天帝がやってきて、みっともないので、争いはおよしよ、年に一回だけ面会することで和解してもらえないかと適当な和解勧告します。
和解を強引にまとめるため天帝は
天女には、雨が降ったら会わなくていいし面倒なら行かなくてもどうせ直接強制ないしねとごもごもいい、
若者には、寝首をかかれないように注意しなさいね、と耳打ちします。
で、毎年、若者は一年分の食器(どんぶり)を洗わずにとっておき、七夕の夜、天女に洗わせます。洗い終わると夜が明けてしまいます。若者は命からがら戻ります。食器持ってくるだけで大変だし、そんな面会意味があるとは思えませんが、一年に一回の嫌がらせのために、意地になって続けているそうです。
本当の中国の故事です。
現代の離婚事情、特にDVやモラハラの離婚に大変よく似ているなあと思いますが、3000年前の中国の人達も同じだったのかもしれません。
ボス、本当に中国のお話ですって(⊙◞౪◟⊙)
本当ですって(◞≼థ≽◟◞౪◟◞≼థ≽◟)
平成25年7月10日 文責 弁護士 菊谷淳子