鬼とクマとエンマさんと
谷から地獄のような湯気が立ち上り
沼からは煮えたぎった湯が溢れ
鬼とクマとエンマ様が一生懸命観光を盛り上げているとある温泉街に一人でやってきました。
マンホールに落っこちた 心の いえ、脚のでっかい傷を無理矢理治そうと、古くから切り傷刀傷に有名なこの温泉にやってきました。もちろん、ここにいる間くらいは湯治に専念し、仕事の事は…と言いたいところだったのに…
仕事柄考え込んでしまう像発見(΄◞ิ౪◟ิ‵ )
さて、夫婦が離婚する場合、その間の子供の親権は通常は母親が持ちます。子供の成長にはまず母親が必要だろうという母性優先主義という考え方の表れです。
もちろん例外もあります。
どういう場合かと言いますと、子供が母親の元で養育されるのが子の福祉の観点から望ましくない場合です。具体的には母親が重度の精神疾患を抱え子供を養育する能力を欠いている場合(それでも誰か子育てを援助できる環境があれば話は別です)や、母親が何人もの男性と不貞行為に呼んでいたような場合です。
その子供を誰が主として養育してきたかという実績も大事です。
滅多にある例ではありませんが、父親が子育てに熱心に関わっており母親が子育てに無関心、というような場合で、それを立証できれば父親に親権が認められることも、皆無ではありません。
しかし注意したいのは、父親が親権を主張する際に、母親の子育ての能力について抽象的に誹謗中傷を繰り返し、むしろ裁判所から悪印象をもたれることです。
言うべきことは具体的な事実のみでいいのです。
家庭裁判所はそれほどリベラルな場所ではありません。男は黙って札幌ラーメン。
それからどうしても子供の親権を欲しいという場合でないにもかかわらず、とりあえず親権を主張することがマイナスになる場合があります。子供との関わりが母親ほどもないではないか、と反論され、いかに相手か良い母親で、こちらが子供との関わりが薄いかをさんざんたたかれます。
たいていの父親は日中は働いております。子供との関わりの時間も量も圧倒的に母親に比べれば普通は少ないものです。子供との関わり、というあえて自分に不利なフィールドの設定を自らすることになってしまうのです。
ところでものすごい田舎の裁判所であっても、一応法の支配は及んでいることになっておりますから、裁判となりますと、
跡取りだから、という理由だけで父親に親権を認めたりはしません。
母親が無職だからという理由だけで親権を認めたりはしません。
(ただし、調停では法の支配が及ぶ保証はありません)
さて、エンマ様は観光客に必死にアピールしていました
悪いことをしたら、地獄が待ってるぞ
(◞≼థ≽◟◞౪◟◞≼థ≽◟)
クマも容赦ない一撃でがんばります…
帰ったら仕事が待ってるぞ
(◞≼◎≽◟◞౪◟◞≼◎≽◟)
煩悩多き、悩める湯治です。
平成25年7月18日 文責 弁護士 菊谷淳子