黄金輝く国から②
はるばる訪ねたかの地はまさに五里霧中。
絶景も霧の中では何にかはせむ。日頃の行いがアレだからか、我々が雨女だからか。しかし諦めはしません。ボスの声が聞こえてきそうですので。
ボス(⊙◞౪◟⊙) これ高尾山?
ところで、一般的な民事事件の第一審では、訴訟のほぼ最後の段階で、当事者・証人の尋問という手続きを行います。
民事事件の期日は書面のやりとりで主に進行していきます。ですから代理人の就いている民事事件では、当事者ご本人が出席される必要はほとんどありません。唯一ご本人にお越しいただく必要があるのが尋問期日です。
この尋問に備えて事前に陳述書という書面を出し、もちろん尋問はリハーサルを行います。一番当事者に負担の多い作業です。当然緊張もします。
実際には裁判官は尋問で心証を形成するということは滅多にありません。裁判官の心証はそれ以前についていることが多いのです。それでも、尋問にはいろいろな意義があります。
当事者にとっての尋問の意義は、まさに自らの口で語る機会をもつということです。
私どもの事務所では訴訟事件が多いので尋問は比較的沢山行っています。
その経験から言いますと、この手続きは当事者の心の霧を多少なりとも払うのに役立っているのではないかと私は感じています。
そういったことから心の霧は、執着や怒りといった雲を自ら追い払ってこそ、晴れるのではないか、と私は思います。代理人はそのお手伝いをするだけなのです。
と言いながら待つこと数十分。厚かった霧もだんだんと晴れてきました。
待つこと40分。同じ日の同じ場所でとった光景です。
40分、どうしていたかって?
はい、待ってただけです。(⊙◞౪◟⊙)(⊙◞౪◟⊙)
平成27年1月19日 文責 弁護士 菊谷淳子