秘密の交信
友人から息子のために「それらしいサンタの手紙」を偽造してほしいと頼まれました。
私は、幼少期にサンタなんか信じさせたら、将来、
貴方にだけ競馬必勝法教えます、なんて広告にだまされるおっちゃん
に育ってしまうんじゃと案じておりますが、黙って手伝いました。
にほんごをときどきまちがってみたり、左手で書いたり。
ここの家のK太は親が思っているよりずっと賢いので、全く心配ありません。
サンタ遊びは幼児を持つ親の特権です。友人には心ゆくまで楽しんで欲しいものです。
さて、人からもらった手紙を勝手にブログに公表することはできるでしょうか。
手紙はもらったものだからかまわないと思っていらっしゃる方も割といるのではと思います。
実は、勝手に公表することはできません。
裁判例では手紙は書き手の思想又は感情を創作的に表現したもので、著作物にあたります。(東京高裁平成12年5月23日判決三島由紀夫ラブレター公表事件)そうしますと手紙にかかれた内容には書いた人の著作権が及んでおり、著作権者の承諾を得ずに公表することはできません。
手紙そのものを所持しているのが誰か、ということとは次元の違う話です。
しかも手紙は私信です。書いた人は通常、相手だけに呼んでもらうことを意識して書いています。ですから通常は公表されたくないと感じているはずです。勝手に公表すれば損害賠償請求の対象になる可能性が高いのです。
実は友人に黙っていることが一つあります。
それは、私がK太から「サンタに送る子供らしい手紙」の代筆を依頼されていることです。
平成26年12月15日 文責 弁護士 菊谷淳子