ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

poison break

日曜から月曜に日付が変わって間もない午前2時 わが事務所のある新陽ビルはなにやら慌ただしくなっていました。 しまった!(◞≼☉≽◟◞౪◟◞≼☉≽◟) 恐怖の全館ワックスがけのお時間です。 たちこめる生存権ぎりぎりの危険なにおい。 ワックスがけのお兄さん達も決死隊のような出で立ちです。 とてもまるごしで立ち向かえるものではありません。 しかし廊下はすでに汚染されており、脱出は不可能です。 さて、我が国では、それぞれの人間に価値があり、どんな人でも個人として尊重されなければならないという個人の尊厳という考え方をとっています。 しかし残念ながら、我が国で、人が個人として尊重されないのは多くの場面で家庭の中です。 経済的に自立していない妻、介護を要する高齢者、子供、家庭の中には力関係の不均衡が多く存在し、そして密室です。 しかし家庭の中というのは脱出が困難な場所です。 警察も家庭の中にはなかなか入ってくれません。 家庭裁判所もお忙しい。人員が少なくてただでさえ裁判官の数が足りていないのです。 そんな絶望的な状況ですが一応法律が人権を救う、という建前の仕事ですので、たとえ思っていても、 相手方が死んでくれることを全身全霊で祈ってみてはいかがでしょうか(΄◞ิ౪◟ิ‵ ) とは言いません。 残念ながら法律にのっとって、中身を分析し、見通しと手続きを淡々と説明するのが仕事です。 それでもまだご相談に来られる方はまだ恵まれています。 たいていの方は法律相談にどうすればたどり着くのかわからなかったり、法律相談すれば何とかなるかもしれないとも知らなかったり、逃れる気力もなくなったり、家族の中のこどだからと諦めてしまったり… 家族であっても別々の頭で考え、別々の心を持ち、事件でもないかぎり生まれてくるときも死ぬときも別々の人間です。家族の中のことだからといって諦めてよ不条理などないのです。 相談だけでもしていただければと切に願っています。 さて、脱出不能になった新陽ビルですが、秘策があります。 実は私は、依頼者からいただいた自慢の羽布団を所有しております。 そして洗面セットと着替えと朝食用の常備食も… 健康で文化的な最低限度の一週間がまた始まります…   平成26年5月7日  文責 弁護士 菊谷淳子