関白のなげき
わがボス井浦謙二は福岡県北九州市出身、人呼んで九州男児です。
九州男児の世にいうイメージはなぜか、亭主関白、のようです。
そのせいかボスも実はそうですか?と聞かれることが時々あります。
ボス(⊙◞౪◟⊙)が?
ボス(⊙◞౪◟⊙)が!
365日中360日、24時間中19時間ほどご一緒しているわがボス井浦謙二(⊙◞౪◟⊙)ですが、家庭内での顔、処遇、立ち位置は、全く知りません。
でもまあ、
聞くまでもないような(΄◞ิ౪◟ิ‵ )
さて、ヒエラルキーというものは私どもの世界にもございます。
以前新人を募集しましたときに、ある修習生から驚くべき質問を受けたことがありました。
四大事務所と裁判で闘って勝ったことはありますか
ちなみに四大事務所というのは我が国の法律事務所の中で一番規模の大きい四つの事務所をまとめて称する言葉です
あります、と言ったときの彼の反応もとても残念なものでした。
へえ~(驚)すごいですね。
我が国には大きな企業の案件を扱う規模の大きな事務所で勤務する弁護士から、企業法務を主として行っているが中規模の事務所、一般民事事件を扱う事務所、債務整理を専門に扱う別の意味で大きな事務所、と様々です。
しかし扱っている事件の種類もお客様もそれぞれ違います。
大規模事務所では大きな会社の大きな案件、それもM&A等を扱っていることがほとんどであり、その専門分野も非常に高度だったりしますが、普通の民事裁判で裁判所に出てくることはそれほどありません。
裁判に強いか、と言われるとそれは種類によるのです。
また大手事務所のお客様が必ず勝ち筋の事件ばかりかというとそうでもありません。
ですから極端に言えば、代理人のつかない本人訴訟で大手事務所から勝訴判決をもらうことだってありうるのです。
勝ち負けを決めるのは事務所の大きさではありません。訴訟をきちんと手がけている弁護士であるか、弁護士にその事件についての腕があるか、そもそも事件のすじがどうなのか、ということにあります。
くだんの修習生の質問の恐ろしいところは、
四大に入ることのできる弁護士=優秀=裁判も勝つ♪
という単純な公図で決めつけていることです。
司法試験一発勝負でなくなった現在、「司法試験に受かった」ということに一定の評価はもらえず、法科大学院という学歴でふるいにかけられ修習生の間にはヒエラルキーができています。東大、旧帝大、私大、私大の中でもまたさらに…そしてその就職先も順番に大手→準大手→企業法務→個人事務所→債務整理系…就職難の昨今はますますその傾向が強くなっているように思います。
恐ろしいのはそういうヒエラルキーを当たり前だと思っている世代の中から何人かは裁判官になることです。幸い現在の裁判所の裁判長クラスはそうでない方々ですが、そのうち、
こっちの代理人は大手だね、なら、間違ったことはいわないね…
なんていうお裁判官がでてこないだろうか。それはすなわち市民の皆様に直結する問題です。
ボスはこの修習生の言葉を聞いてからそれを心配するようになりました。
彼に聞いておけばよかった。
あなたは自分の事件で相手が大手事務所の弁護士だったら勝てないと思いますか
さて、私の友人の九州男児は皆さん陽気な酒飲みは多いですが、誰一人として…、というわけで私自身はそういうイメージは全くありません。
それどころか、実は私自身は実生活でお父さんが威張っているのを見たことがありません。そういうご主人というのがどこかにいるらしいということを聞いていてはいても想像上の存在です。サンタクロースか河童と同じ。
亭主関白のお宅にホームステイしてみるかね…
…と思っていたのですが、実家で父と話をしていまして。
亭主関白ってどんな感じなんやろねえ
父 そりゃうちみたいな家やろ
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)?
父 関白っていうのは、要するに天皇のけら…
というわけで私の周りは関白だらけだったようです。
平成26年3月12日 文責 関白(⊙◞౪◟⊙)の部下