ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

ほんのり怖い話①あっちゃんのママ

暑さがまだやまないようですので、昨年意外に好評だった怖い話を今年もほんのりお届けいたします。 あっちゃんのママはとっても美人で、優しくて、ケーキなんか焼いていて、友達の間でも評判のおかあさんでした。運動会の時のきれいなお弁当はもうあこがれの的でした。 あっちゃんの家はいつもとてもきれいに片付いていて、とてもいいにおいがしました。 ある日、しんちゃんとゆうたろうといっしょにあっちゃんの家に遊びに行って、かくれんぼをしようということになりました。 私が鬼になりました。 しばらくして、隠れていたしんちゃんがガタガタ震えながらやってきました。 ごめんやけど、ぼく、もうかえるわ。 といって帰って行きました。 もうしばらくして、別のところに隠れていたはずのゆうたろうも蒼くなって戻ってきました。 帰ろう、今日は天気わるなりそうやし なんかへんやな、と思いましたが、一緒にかえりました。 次の日、2人は、おまえ、見たか?と口々にいっていました。私は鬼だったので見ていません。が、 しんちゃんはものおきの中で、 ゆうたろうは押し入れの中で、それを見つけたそうです。 おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい おかあさんごめんなさいおかあさんごめんなさい 物置にも押し入れにも 赤いマジックで壁一面に。 あっちゃんのママは怒ったら怖いんかな… おとなってわからんなあ… あっちゃん、なんかあったらいいや、力になるで、というとあっちゃんは おじいちゃんが来たらお父さんに言ってもらうねん…と下を向いて言いました しばらくしてあっちゃんのママを見なくなりました。違う家に住むことになったそうです。 さて、気味の悪い話の間で隙を見て、普通の話を。 家事労働はいったいいくらに評価されるのか、といった議論が説時折フェミニズムの観点からされることがあります。 家事は日常生活に不可欠だが意外にハードな仕事です。 厚生労働省の試算で246万円と計算したりもしているようです。 が、厚生労働省の試算の様にそもそも家事労働の評価について夫から妻に給与として支払うならいくらかという観点で見るのは的を射ていません。なぜならそういう計算の仕方をすると、では夫が負担している住居費は?光熱費は?食費は?子供の学費は?なんてことになりかねず、夫の稼ぎは夫のもの、なんていう考えにつながりかねないからです。夫婦は相互に協力しなければなりません。これは法律が定めたこと。 実はそんなせせこましいことを考えなくても裁判上は家事労働の価値についてはちゃんと評価されています。 離婚する時には妻が専業主婦でも財産分与は原則として半分認められているからです。 夫婦で平等に協力したでしょう、ということが評価されているのです。 まあ、離婚する時には、という話ですが… と、いかにも適当な法律のお話をしまして…  本題、ごほ、続きです。 あっちゃんはママがいなくなったけど、割と元気にしているように見えました。 そしてその後お父さんの田舎で暮らす事になったからと転校していきました。さいごに会ったとき、 こっそり教えてくれました。 あんな、ほんまのおかあはんちゃうかってん。 案外うまくいったわ 平成25年9月4日 文責 弁護士 菊谷淳子