ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

王様の耳

 あの、筆者は亡くなったのですか という問い合わせのメールを頂きました。 お香典は生前絶賛受付中です(`◉◞౪◟◉) この10日ほど、目が回るほど忙しく、例のあの人の訪問を3回も受け、手首が腱鞘炎になり、手が痛かったのです。 つらかったのは、病院でその事情を説明しなければならなかったことです。 どうしました?  その、ちょっとバットを振り回し… 野球か何か?  いや、その、苦手な人物を追い払うために お仕事関係か何かで?  あったこともない方です・・・・ あかんよ、カルテにそのまま…いや、その、 墓場まで持って行ってねその内容 さて、ある人が亡くなって、相続人が何人かいる場合に、相続人の一人が被相続人(亡くなった人)の預金口座の取引履歴の開示を求めることができるのでしょうか。 遺産分割をもたもたして10か月以上放置すれば相続税を課される場合には大変なことになります。早く遺産分割の話し合いをつけなけなければなりません。それに遺産がどれだけあるかを把握することは大事なことです。 実は、従前、銀行は相続人全員で開示請求しない限り、取引履歴の開示を認めないと主張してきました。そしてわが国の裁判所はなんだかんだと開示しなくてもいいよと最近までお墨付きを与えていました。 しかし、現実的に考えますと、遺産相続の場面で相続人の全員が必ずしも互いに協力するとは限りません。むしろ通帳を持っている相続人は反対することが多いと思います。 ですから相続人全員での開示請求など困難な場合が多いことは法律以前の経験則でわかることです。 しかも払い戻しと違い、開示だけなら、被相続人の地位を引き継ぐ相続人は自分の情報として行えるはずなのです。 実は最近になって、ようやく最高裁が単独の開示請求権を認め(平成21年1月22日最高裁第1小法廷決定)現在では相続人の一人が単独で開示請求ができるようになりました。 たった4年前です。 我が国には、他にもまだこういった当たり前の不条理がごろごろ転がっています。  さて、大沢た○おさん、3回目にとうとう手土産(もみじまんじゅう20個入り)を持参してきました。いつも問答無用に追い払っているのに。親切にしたことなんかないのに。  急に、今まで追い払って気のどくなことをした…ごめんね、ごめんね、と後悔の念に駆られ、一番上等の玉露を淹れ、お通夜みたいな気持でもみじまんじゅう一緒に食べました。そのままだとなんだか不幸になるような気がして一緒に楽しく盆踊りを踊りました。久々に楽しかったです。   朝起きたら、足首をねんざしてました      平成25年1月30日 文責 弁護士 菊谷淳子