目指せ中華
年賀状の季節まであと1か月。
悪筆に悩める私は、なんとか今年中に字の練習をしなければと意を決して書道教室へ行ってまいりました。
句会にて「冬菫(すみれ)」と自分で書いた季語を「冬茸(きのこ)」と間違えるという失態以来の宿願です。
で、かつての恩師が教えていらっしゃる教室に無理を言って紛れ込ませていただいたのですが
その場にいらっしゃる十数名の生徒さんはみな、高級中華料理店でお見かけするような流れるようなすばらしい文字を書いておられます。
泳げないのに、いきなり海に飛び込んだ気分です。
皆様のような素晴らしい字はかけませんので、先生に特別にお手本を書いていただきます。楷書で。あの、「お正月」とかそういうレベルからお願いいたします・・・・という菊谷の願いむなしく先生すらすらと筆を運ばれます。
先生の筆の運びを必死で追います。四文字です。
一文字目は 青
・・・・青天霹靂 でしょうか、先生、難しすぎます
二文字目は 山
・・・・青山墓地 でしょうか、先生、高すぎます
とまあ、頭の中でいろいろ勝手に
ところで、今日はつまらない話を。
日本は印鑑を非常に重んじる国ですが、商法上は、「署名」があれば押印までは必要としていません。ここでいう「署名」とは本人の手書きで氏名を書くことです。
他方「記名」といって手書きではない、ゴム印やワープロ打ちの場合には押印が必要とされています(商法32条)。これは記名には本人の筆跡が残らないためです。
署名=記名+押印 ということになります。
ただ、証拠としての力はやはり署名+押印をしておいたほうが強くなります。
署名が真正なものかということを証明するのはそう簡単ではないからです。
万が一のために押印しておいたほうがいいですよ~ということをお勧めいたします。
ちなみに自筆証書遺言書、は日付、全文、氏名を自署するほか、押印を必要とします(民法968条)。遺言者本人が亡くなることを前提としていますから厳格化しているのです。
さて、4時間、一生懸命書きました。悪筆ビフォーアフターに期待して現状の惨状をさらしておきます。
いつかは戒名も筆ですらすらと自分で書いてみたい菊谷です。
平成24年11月27日 文責 弁護士 菊谷淳子