ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

秋深し

DSC_0505.JPG 函館は11月からホテルが少し安くなるので、てっきりシーズンは終わっていると思っていました。 本音を言うと、もう紅葉は終わってあわよくば雪・・・ととんでもない期待をしていたのですが、 観光シーズンまっただ中でした 函館山も気が遠くなりそうな人の多さで、展望台に登るには1時間以上並ぶようでした。なのに山頂のレストランはなぜかがらがらだったので、ゆっくり夜景を楽しめました。 昨年末にカナダの入国管理局のおっさんトムから投げつけられた、 一人でみて楽しいか?クレイジーだな という大変心ない言葉を思い出しますが、一人でみてもきれいなものはきれいなのです。 DSC_0510.JPG さて、パイプオルガンの関係で私がよく訪れる街は函館の他、長崎と神戸がありますが、これらはいずれも幕末に開港された国際貿易都市です 300年もの間、鎖国をしていた我が国が急に外国人を入れるわけですから、大変だったろうな・・・・と思うのですが、むしろ来る外国人の方がおっかなかったろうな・・・と思います。 なぜなら、当時の外国人に保証された権利は日本に入ってもいいが、身の安全は保証しない、というものだったからです。 明治3年にようやく東京在留外国人遊歩規定、居留地から10里以内の範囲でのみ、身の安全が保証されるようになりましたが、それでも10里です。そのほかは原則 切り捨て御免 こんな国、おっかなくて入れません。 しかも、実際、生麦事件とか起こってますから。外国人の皆さんも気持ち命がけで来日していたのではと思います。 嫌々開港した経緯からわざとそうしたのかなとも思いますが、実際は当時日本人が外国に行ってその国の外国人という立場に置かれたことがめったになかったからかもしれません。 外国人どころか国内の人権すらおぼつかない国だったことも影響していたかもしれません。 いずれにせよ、相手の立場にたつ、ということは法適用、法制定の場面で非常に重要です。 日本人だって、外国に行けば外国人です。 立場なんて簡単に入れ替わるのです。 さて、五稜郭にはその辺の資料も展示されていて興味深いのですが、 この五稜郭が一番美しいのは、雪の時期だと私は思います。 カナダのトムさんの言葉を思いだしはしますが、 次にくる頃には確実に雪が降っているはずなので、また五稜郭タワーに捲土重来です。 今晩は曇りっぽいので、レンガ倉庫の夜景で我慢しますが。      平成24年11月11日  文責 弁護士 菊谷淳子