眠りにつく準備
来たときからお年寄りで瀕死で寝てばかりのモフさんがとうとう逝きました。
日曜は午前中家事をして午後から事務所に出ることにしていますが、モフさんは私がいるお昼にミルクをなめて、しばらくしてふっと長い眠りにつきました。大往生です。
ちょとさびしいけど、無事に見送ることができてほっとした気持ちです。
ところで、成年被後見人が病院で亡くなられますと、死亡後に病院の支払いや、葬儀費用の請求がきます。人が死んでも、要るものは要るのです。確実にいろいろな物入りが発生します。
しかし、成年後見人は被後見人の死亡と同時に任務が終了します。そうすると、被後見人のお財布を握るのはもっぱら相続人ということになります。
相続人がごく少数で、しかもきちんと連絡がつく方であれば、問題はありません。
しかし、相続人がたくさんいる場合は、「全員の同意」を得るのが本当に難しいのです。
既にご高齢で病気がちの方ですと後見人にも施設から連絡がきますから、現金を予め用意するなどの準備もできるのですが、突然に亡くなられた場合には、現金がない状態のこともあります。
相続人が全くいない場合にも誰かが病院の支払いをしなければなりません。弁護士ではやむを得ず事務管理として行う、という方法をとっていることが多いようですが、その後財産に関して引き渡しなどで相続人ともめ事になる可能性もありますから、うっかりしたことはできません。
成年後見の終了は被後見人の死亡であることはそもそも容易に予想されることですから、本来は法でそこまで手当てしておいてほしい、と思います。
さて、例のタオルですが、モフさんが気に入っていたようなので、モフさんと一緒に火葬することにしました。
モフさんよりも長い付き合いの愛用タオルケット、
大きな声では言えませんが取りすがって泣きたい気持ちです。
友人は無情なお悔やみが。
今度から紙のタオルにしとき
平成24年11月5日 文責 弁護士 菊谷淳子