ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

隠さざる尻

SMクラブにお金を出したかどうかだけが争点なのに、つい僕自身は行っていませんと言わずにはいられない政治家の弁明をネットでボス(⊙◞౪◟⊙)と眺めておりました。その方が本当にそういうところには行かれていないかはわかりませんが、わかる事はただ一つ。 人にはつい自分にとって一番大事なところを強調してしまう。 ところでこの方のお名前を検索しようとしますと、お名前の横にさりげなくSMと出てきます。サジェスト機能という大変お節介な機能で、よく検索されているキーワードが続いて表示されるものです。 自分の実名を入れて、サジェスト機能で本当は無関係な犯罪に関係するような表示が出たりした場合、削除せよと求めることができるのでしょうか。 実は、検索サイトが削除要請に応じなかった場合、損害賠償を請求できるかというと、それはまだ争われています。一審東京地裁名誉毀損にあたると判断し、差し止めと損害賠償を認めました。 しかし高等裁判所は「表示それ自体が名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりするとはいえず、不法行為も成立しない」としました(東京高裁平成26年1月15日)  この裁判長の名前の横に ちかん とか出たとしても名誉を傷つけることにはならないのか・・・・ この機能は残念ながら悪用されやすく、実際に悪意をもって使われることがあります。会社名を入れてブラック、とか男性の名前を入れてちかん、などと繰り返し繰り返し何百回何万回と検索すれば、サジェストされてしまいます。あ、菊谷淳子 美人過ぎる、と検索していただくのは大歓迎です。 現在この事件は最高裁に上告中です。EUの最高裁では「忘れられる権利」を先日認めたところでしたが、これからどうなるのか・・・・ ところで、私思うのですが、件の政治家はこう言えばよかったのです。 (⊙◞౪◟⊙)「僕が行ったことにしておきます」    平成26年10月31日   文責 弁護士 菊谷淳子