ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

恐怖の終着駅

西武新宿駅から各停に乗って事務所への戻り。たった一駅なので普段は座り込んだりしないのですが、ここ最近徹夜続きで眠くて眠くて2分でもいいから、とつい座ってしまいました。 暫くして、車掌さんに起こされました。 知らない駅でした ものすごく心細くなります。ここは山梨か、青森か、新潟か あたりは暗いし、しかもものすごく気味の悪い駅名でした。まさか、 常世の国(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)・・・・ ホームに降りたら最後、帰れなくなるんじゃ(΄◞ิ౪◟ิ‵ )・・・・ ところで、関西圏の皆様にはなじみのないと思いますが、首都圏では駅に「駅員への暴力はやめて下さい」というポスターが時々見受けられます。 特に最近は駅員さんに起こされて暴行する酔っぱらいが後を絶たないようです。 下戸なので酔っぱらえない私にはわかりませんが、ヨッパライの皆様は加害行為の時にはずいぶんしっかりしていらっしゃるのですが、後で自分のしたことを覚えていないそうです。 しかし法律的には、民事上も刑事上も責任能力は全く問題ありません。責任を負います。 仮に酔っぱらって年収700万円の駅員さんの首をしめて、治療期間3週間の怪我をさせ、首にしびれが残ったた場合、民事上支払わなければならない損害賠償金はざざーっと下記のとおりです。   治療費 (第三者行為ですから保険診療分も含めて全額です)   治療完了までの傷害慰謝料   約300万円(故意行為ですので高くなります) 休業損害           約40万円   後遺障害慰謝料        約110万円   逸失利益(14級相当として) 約175万円   その他、傷害行為と相当因果関係にあるすべての損害(制服のクリーニング代等) 金額の見えている部分だけでも結構な金額になりますが、それだけではありません。 そして刑事上も傷害罪で罰金もしくは懲役、もれなく前歴はついてきます。あと弁護士費用もね。 駅のポスターは単に「駅員への暴力をやめなさい」というものではなく、「もしやったらおいくら万円かかりますよ」と具体的事例と金額をあげればもっと効果はあがるのではと思います。 ヨッパライの皆様は、実行行為の時はそれなりの判断能力はありますから。数百万単位の金を払ってでも不条理なストレス発散をしようという根性のある方はいらっしゃらないと思います。 さて、寝ぼけていたこともあって暫く呆然としていましたが、気を取り直して事務所に連絡です。 事務員 なんという駅ですか? 菊 お、お、お、おがみじま です。 事務員 ?(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟) 事務員がその後何かを言ったようでしたが、私の携帯はそこで電池切れによりおだぶつになりました。 本当に怖かったです。新宿行き急行電車が入ってきて現世に帰還できるまでは。 西武新宿線の終着駅、拝島(はいじま)という駅での出来事です。     平成26年10月28日  文責 弁護士 菊谷淳子