ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

待ちかねた食材

頼れる同僚中川との最近の共通の悩み、それは食生活です。 もちろん健康診断の恐ろしいお告げを受け、二人とも自分でお食事を作ることの重要性をかみしめております。 でも2人とも、一番最近刃物を使った記憶をたどるのさえ年単位が必要… 私は料理自体は好き、中川は調理道具大好きですから、2人ともやる気がないわけではありません。 帰る時間に開いてるスーパーがないのです。 それだけです(◞≼థ≽◟◞౪◟◞≼థ≽◟) しかしそんな2人組に、近所の床屋から帰ってきたボスლ(◉◞౪◟◉ )から朗報が。 ლ(◉◞౪◟◉ )事務所のすぐ横のビルに24時間スーパーができるんだって… 情報の出所ლ(◉◞౪◟◉ )に不安がないわけではありませんでしたが、 事務所帰りに開店準備中のビルの中の様子をうかがいながら、 (⊙◞౪◟⊙)♪(⊙◞౪◟⊙)♪ 2人でわくわくしながら待っていました。 めくるめく自炊の日々を期待して… さて、「自炊」は自炊でも、著作権のお話を。紙でできた書籍を裁断し、スキャンしてデータ化することを「自炊」といいます。自分でデータを吸い取るから、だそうです。 この「自炊」は著作物の複製(著作権法2条1項15号)にあたります。 書籍の複製権は本来は著作権者にあります。 ただし、著作権法30条で、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を目的とする(私的使用の目的といいます)の場合には複製することを認めています。ですから、自分で電子化して利用するために「自炊」することは著作権の侵害にはあたりません。 でも、「自炊」って結構大変です。まず、書物を裁断するのが本当に大変です。 そのためには裁断機をもっていなければなりません。 そこで出てくるのが「自炊代行」… 便利そうです。しかし業者が委託を受けて自炊、すなわち複製をすること、それは直鎖権侵害にあたらないのでしょうか。 実は現段階で裁判例ではまだきちんと自炊代行について判断されていません、以前有名作家数名が提起していた「自炊代行」の差止請求訴訟事件、「業者が解散し実質的勝訴に至った」という理由で訴えを取り下げているからです。 先ほどの複製が著作権侵害にあたらない「私的使用」の場合というのは、その複製者自身が単独で使用することを意味しておりますので、個人的には、自炊代行は著作権侵害に該当しないとは言えないように思います。 さて、待ちに待ったある日、ついに待望の24時間スーパーが隣に本当に開店しました。 が、それは (◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟) 成城石井でした 菊谷は20パーセント引のお恵み品を時折探しに行き、 中川は何事もなかったかのように素通りしています。 平成25年7月29日 文責 弁護士 菊谷淳子  ※「成城石井」関西でいうイカリスーパー。カタカナと外国語に彩られたハイソな高級食材が並ぶ。  プリン1個250円という世界でも最高水準の物価を誇る