ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

棺の中の栄華

わが事務所のモットーは真理の探求 お正月の東京は人口が驚くほど少なく、どこにいくのも楽です。 そこで、私と 遊び 仕事仲間の中川は、人の少ない時期を狙って 物見遊山 ごほ、真理の探究です H25.1.2ツタンカーメン2panda.JPG 今日はあたたかな小春日和ですが、 世間様の視線は心なしか冷たく感じます。 パーマン」違いますよ・・・・ちょっと写真とるな外人 いえ、なんでもありません。 ところで、確か4年ほど前、エジプトでは、ピラミッド等からの発掘品のデザインの複製に「使用料」をとるという法律の制定を検討していました。 簡単にいうとツタンカーメンのお面を作ったりするときには、エジプト政府にお金払ってね、という意味の法律です。 その時のエジプト政府の担当者の説明では、世界中から「使用料」が入り、それで遺跡の保存・発掘に役立つだろうということでした。 この発掘品のデザインを真似たら使用料をとる、という考え方は著作権の主張に似ていますが、正確には著作権ではありません。著作権は著作者の著作物に対する権利ですが、ベルヌ条約という条約で、著作者の没後50年に限られています。このベルヌ条約にエジプトも批准しています。 その50年をぶっとばし、自国の法律で4000年前の作品の著作権を保護する、といきなり言っても、国際社会では誰も相手にしないでしょう。侵害されたといって国際機関に持ち込んでも難しいでしょう。 おそらくエジプト政府が意識しているのは、文化人類学や考古学の研究対象となっている国ではよくある、研究者と政府との契約に「研究の成果として得られたものは本国に属す」という条項なのだと思います。ですが、契約関係にない相手の複製を停めることはできません。 法律を制定さえすれば、世界からお金がはいってくる!と語っていた議長、 法律があくまで国内法でしかない、ということは考えていなかったのかもしれません。 諸外国を意識して法律を制定するには条約との整合性は考えないといけないのです。 この法律、当時のニュースでは「成立する見通し」といわれていましたが、その後どうなったのか、気になるところではあります。 私が600円で購入したこのマスクに使用料は含まれていないように思いますが・・・・ さて、展示されていた品物は、どれも精巧で、豪華で、丁寧に作られた素晴らしい芸術品でしたが、一番大きな展示品は、それはそれはため息の出るほど美しい金の棺でした。 H25.1.2ツタンカーメン3panda.JPG    2人とも、黄金の美しい棺を見て、同じことを考えていたと思います。 菊谷はまるごとで・・・・中川はちょっと折り曲げ・・・・・・・  平成25年1月3日 文責 弁護士 菊谷淳子