真夜中の探しもの
最初に異変を感じたのは昨年の春頃でした。
ゴミ袋の口が、いつもの結び方とちょっと違うような気がしたのです。
私はいつも帰宅してから、つまりほぼ明け方近くに出しています。
誰かが触っているとは考えにくいとそのときは思いました。
が、ある日の未明、ゴミ出しをした直後、ゴミ袋をごそごそいう音を確かに聞きました。
誰かが漁っている…
のらねことかカラスとかどぶねずみとか馬場のゆかいな動物達は、どう考えてもゴミ袋をきちんと閉めたりはしません。
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)誰が?
さて、ゴミあさりと一緒にすると怒られそうですが、私どもも裁判所で捜し物をいたします。
記録の閲覧です。
なんだ、判例は公刊物などででているではないか、と思われるかもしれません。
判例、つまり判決自体はものの本や場合によってはネット上に出ていることもありますが、どんな証拠を当事者が提出したかは判例だけではわかりません。
裁判所が認定するためには証拠が必要です。
これから判決を獲得しようとする私どもにとって大切なのは、どんな証拠を提出したか、ということです。
ですから同じ認定をしてもらうためにはどのような証拠を提出すればいいのか、を調べるため、記録の閲覧をしにいくのです。
ただし閲覧のためには、事件番号がわからなければなりません。
そこだけで割とハードルは高いと思いますが、不思議なことに、いつ記録係に行っても、
中高年のマニアっぽい方が熱心に (◞≼☉≽◟◞౪◟◞≼☉≽◟) 記録を読まれている光景に出会います。
ところで、ゴミの話に戻ります。
張り込んでゴミあさりの主を探索しようとも考えましたが、そうでなくても忙しいのに、ますます寝る時間が減ってしまいます。撃退が一番です。
お化け屋敷のバイトで培った技術を生かし、
卵の白身に食紅を混ぜて血糊をこしらえ、ゴミ中にまきちらしてみたり、
とっておきの惨劇もののビデオのカバーをゴミに混ぜてみたり…
寒天でリアルな目玉をこしらえてみたり…
簡単に言いますと
ここの住人はアレ(◞≼థ≽◟◞౪◟◞≼థ≽◟)
って気がついてくれるようにいろいろ物騒な工夫をしました。
が、どうも効果がないようでした。
そんな中、ついにゴミあさりの主は姿を現しました。つづく
平成25年10月9日 文責 弁護士 菊谷淳子