マルコの時計
頼れる同僚中川の元にpaypalという決済会社を名乗る者からメールが届きました。
それによりますと、中川は先週、マルコさんから149.47USドルのメンズの時計をお買いあげになり、paypalで送金しました、らしいのです。
中川はpaypalにアカウントは持っておりませんが、paypal自体は実在する会社ですから、最初このメールを見た時は震えあがったそうです。これ英文でしたし。
もちろんこれは迷惑メールです。結構よく送られているようです。
どこから中川の貴重な個人情報であるアドレスが漏れたのか、これが一番気になるところです。
ところで、メールアドレスなどの個人情報は今個人情報保護法という一見個人情報保護を目的とするかのような法律で「守られている」ようですが、その守りは実に鉄壁でして、地方公共団体では、本人から委任を受けた代理人弁護士にも個人情報を開示しないと決めているところがあります。
本人が常に情報開示を求めることができるとは限りません。そして代理人がすることは本人がすることと法律上は同じ効果を持つのに。
代理権の判断は形式的にできるはずです。
利用者保護を謳いながら、利用者に「何が何でも自分で開示請求しなさい」と困難を強いるのは本末転倒ではないのでしょうか。
でも大丈夫です。
頼れるにほんべんごしれんごうかいや「市民のための司法」とういう高邁な理念を掲げる司法改革派の皆様が、きっとこういうけしからんことは何とかしてくださると、私は信じております。
ええ、本当に( ◉◞౪◟◉)
さて、遅れること1週間、菊谷の元に、paypalからメールが届きました。
菊谷はアルヌルフォさんから259475.2USドルの金塊をお買いあげになったそうです
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どこから漏れたのか、中川と共通するメーリングリストを検討してみましたが、全部業務に関係する…
気のせいです、ええ、気のせいです。
平成25年3月14日 文責 弁護士 菊谷淳子