ミモザノヘヤ

高田馬場の弁護士の日記です。

聞きたい真実

肋骨の痛みがひどくなってきたので意を決して病院に。 最近は電子カルテになっていますから、お医者さんは時々こちらを向いて話をし、後はパソコンに向かっています。 画面はこちらから遠いのでよく見えませんが、 軽い気持ちでお医者さんが後ろを向いた隙にのぞき込んでみますと、   一カ所だけ、ほんとに一カ所だけ 赤い文字の記載が(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)   先生、その赤い文字なんてかいてあるんですか 先生、慌てたように、いえいえ、何でもありません。と見せてくれません そう言われるとますます知りたい。 先生と話をしている間、心も視線もずっと画面でした。 ところで、仕事上でも実際、本当のところはどうなのだろうか、と悩ましく思うことは沢山ありますが、 その一つに面会交流についての子供の心情があります。 面会交流について、私は基本的には子供の健全な成長に資すると考え(DVなどの場合は別ですが)積極的にのぞんでいます。 でもすべての子供達が面会交流を心から望んでいるかというとそうではないのです。 親の側に特別な事情や、少し問題がある場合に面会自体が寧ろ子供に大きな精神的負担を強いることになる場合があり、必ずしも親との面会が常に子の健全な成長に資するわけではないのです。 たとえば「パパ、ぼおっとしてる病気やねん。どうしていいかわからんねん」 といっている子供に、君のためだよといって面会交流を強制することは非常に酷なことにも思えます。 面会交流については家庭裁判所で調査官の調査が入ることがありますが、 調査官は心理学を勉強している、というだけで、医者ではありません。 たとえば心に病を抱えた親と面会することの判断に医学的見地からの判断はできません。 簡単に「面会しろ」とおっしゃっても… 本当にいいのですか。 子供にとってものすごい負担になりませんか 親と子の間に消しがたい溝を作ってしまうことになりませんか。  離婚に関わる者として、親の離婚に巻き込まれる子供達には幸せに育ってほしい、と心から願っています。ですから、その面会が本当に子供のためになるのか、むしろ大人の事情を押しつけていないか、ということは毎回悩みます。 ところで、赤い字でなんと書かれていたか 体をよじり、目をこらし、先生のスキをついて、読み取ることができました。 意外な単語でした。 職業 弁護士 ややこしい病気と書かれていたのではなく、ややこしそうな患者という記載のようです。それにしてもへこみます 赤い文字に気をとられ 肝心の病状を忘れていたことに(΄◞ิ౪◟ิ‵ )   平成25年3月3日   文責 弁護士 菊谷淳子