珍しく皇居の桜を眺めています。お得意様東京地裁のお近くなのですが、こうじっくり歩くのは久しぶりです。
一人でどこへでも出かけていく私ですが、赤坂見附の釣り堀のボートからおっこち、魚どもの昼ご飯になりかけた思い出すだけで臭いそうな思い出があるのでボートは眺めるだけです。
さて、桜と関係がないのですが、最近の業界の話題から。 弁論(実質的な審理のこと)に関与していない高等裁判所の裁判官の署名・押印が判決文にあったため、最高裁が判決を破棄し、差し戻したという事件がありました。
手続きミスですから差し戻されてもおそらく結論は変わらないはずです。
報道ではあまりきちんと説明されていないのですが、これは今の裁判所が抱えている実質的な問題をはらんでいます。
高等裁判所の裁判は通常3名の裁判官の合議でなされます。しかし実質的に事件にしっかり関わるのは3名の裁判官のうち裁判長と主任裁判官の2名だけです。外の一人は全く事件に関わらないのではなく、「合議」の時間に二人から事件の報告を受けます。
署名するときに「お、これ合議したことがないぞ、俺は関係ないんじゃないか•(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)」と気付かなかったということが何を意味するか。
それはこういうことです 合議上の空ლ(◉◞౪◟◉ )ლ 裁判官はとても忙しい。でも高等裁判所は事実審の最後。ここで公正なお裁きを受けられなければお最高裁という大変口の重い機関の口を無理矢理開かせるしかないのです。
合議だけでもきちんと関与していただけると、チェック体制が機能し、あらら、という判決が避けられるかもしれないのです。
過労死ラインギリギリで働いている弁護士からの心からの願いではあります。
さて、帰ってまたうちあわせです。 平成30年4月2日 文責 弁護士 菊谷淳子